声と呼吸の旅
石段で気づく姿勢・息・間|声の先生の視点で歩く伊豆山の参道とボイスリトリート企画
石段を上ると、姿勢や息づかい、立ち止まる間が自然に見えてきます。声のトレーナー歴30年のたーなー先生の視点で、参道を歩く観察ポイントと、企画中のボイスリトリートを紹介します。
石段を一段ずつ上っていると、ふだんは気づかない自分の姿勢、息づかい、立ち止まるときの間が、はっきり見えてきます。伊豆山の参道は、走り湯から本殿まで837段。この道は、歩くだけで声と呼吸に意識が向く、とても豊かな場所です。ボイストレーナー歴30年、5万人以上を指導してきたたーなー先生は、声を整えるときに、姿勢・息・間の三つを見ます。この記事では、その三つを石段で観察する方法と、参道を人生の階段に見立てて声と呼吸のワークで歩く「ボイスリトリート」の企画を紹介します。
声を整えるときに見る、三つの場所
たーなー先生が企業研修などで声を整えるときは、声を「息・声・響き・相手」の四つの場所に分けて考えます。息は姿勢と呼吸、声は高さ・速さ・滑舌、響きは声の温度と間、相手は聞く姿勢と返し方です。研修で実際に見るのは、姿勢・息・間の三つです。
| 見るところ | 何を観察するか |
|---|---|
| 姿勢 | 立ったとき、歩いているときの体の向き。視線の高さ |
| 息 | 吸うこと、吐くこと。歩く速さとの関係 |
| 間 | 話し始める前、立ち止まるときの、ひと呼吸の余白 |
この三つは、話す仕事の人にも、人前に立つ人にも、日常の会話にも役立つ見方です。伊豆山の参道は、この三つを、体を動かしながら確かめるのにぴったりの場所です。
石段が、姿勢・息・間の教室になる理由
石段は、歩く速さを自然に決めてくれます。上りでは、背筋が丸まれば視線が足元に落ち、息が詰まりやすくなります。顔を少し上げて、海や木々の景色を視界に入れると、胸が開いて、息が深く入る感覚に気づくことがあります。
参道は海に向かって開けていて、朝は海から光が差し込みます。日差しがやわらかく、石段も参道も静かな時間は、自分の呼吸の音が聞こえるほどです。ふだんの暮らしでは意識しない息づかいに耳を傾けるには、朝の参道がぴったりです。
前の晩に参道の宿「123 MUSIC & RESORTS」へ泊まれば、朝は宿の前から本殿まで492段を歩けます。492を4で割ると123段ずつなので、四つの区切りで一つずつ観察を変える、という歩き方ができます。
492段を四つに分けて観察する
| 区切り | 観察すること | やってみること |
|---|---|---|
| 最初の123段 | 姿勢 | 顔を上げ、視線を少し遠くへ。肩の力を抜く |
| 次の123段 | 息 | 歩く速さを落とし、吸う息より吐く息を長めに意識する |
| さらに次の123段 | 間 | 立ち止まってひと呼吸おき、振り返って海を眺める |
| 最後の123段 | 相手 | 同行者の歩く速さを感じ、声をかけるタイミングを探る |
これは体を鍛える練習ではなく、気づくための遊びです。うまくできたかどうかを気にせず、「いま息は浅いか、深いか」「肩は上がっているか」と、ただ観察します。無理を感じたら、すぐに歩く速さを落とし、立ち止まります。足に自信がない方は、492段のみ、途中まで、上だけ参るなど、歩き方を相談できます。
立ち止まる「間」を、声にしてみる
声の表情は、実は話していない時間にも宿ります。石段の途中で立ち止まり、風の音、遠くの波の音、自分の足音を聞いたあとで話し始めると、声のトーンが自然に落ち着いていることに気づきます。急いで話さなくてよいという感覚を、体で覚える機会になります。
石段の途中で立ち止まるときは、あえて何も話さない時間をつくります。話し始める前のひと呼吸があるだけで、次に出る言葉の温度が変わります。声を使う仕事でも、日常の会話でも、この間は大切な力です。
たーなー先生の著書『相手に「伝わる声」の出し方』(あさ出版、2021年)も、相手に届く声をテーマにしています。同行者に話しかける前に、ひと呼吸おいてから言葉を選ぶ。それだけで、同じ内容でも受け取る側の印象は変わります。
企業研修では、自分の声を録音して、前後を聞き比べる方法を使っています。参道を歩く日は、その代わりに、歩く前と歩いたあとで、同行者と簡単な会話をして、声の高さや速さがどう変わったかを、お互いに話してみるのも楽しい試みです。
ボイスリトリート(企画中)という歩き方
参道は、下から上へ、一段ずつしか進めない道です。人生の歩みも、ひと足ずつです。そう見立てると、石段の途中で立ち止まる時間が、自分の声や言葉を見つめ直す時間に変わります。一段ごとに「ここまで来た」という実感が積み重なり、上り切ったときの息づかいや声の響きも、いつもと違って感じられるはずです。
123TOURSでは、参道を人生の階段に見立て、声と呼吸のワークで自分の声を探す「ボイスリトリート」を企画しています。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 内容 | 参道を人生の階段に見立てて、声と呼吸のワークで歩く |
| 日程・人数・料金・集合場所 | これから決まります。問い合わせ時に案内します |
| 決まったあと | 決まりしだい、ページでお知らせします |
気になる方は、お問い合わせフォームかチーム伊豆山(TEAM123)のLINEから、「ボイスリトリートに関心がある」と送ってください。希望の時期や人数、歩きたい区間を書いておくと、企画づくりの参考になります。
歩いたあとに、気づきをノートに残す
歩き終えたら、宿のラウンジや帰りの電車の中で、観察したことを書き留めます。思い出すのは、頭より体の感覚が先です。「胸のあたりが広い感じがした」「立ち止まったとき、周りの音がよく聞こえた」といった、短い言葉で十分です。
| ノートの項目 | 書くこと |
|---|---|
| 姿勢 | 歩き始めと、本殿の前での、体の向きや視線の違い |
| 息 | 上りの最中と、立ち止まったときの息づかい |
| 間 | ひと呼吸おいたとき、周りの景色や音がどう見えたか |
| 相手 | 同行者やガイドとの会話で、声のかけ方に気づいたこと |
宿の共用ラウンジにはグランドピアノが2台あります。夜の静かな時間に、ノートを開きながら、今日歩いた道を思い返すのも、旅の余韻を深める過ごし方です。
声の使い方をさらに学びたくなった方は、オンラインのATOボーカルスクール(月4回16,500円(税込))で、たーなー先生と、そのもとで学んだ講師陣のレッスンを体験1回から受けられます。参道で気づいた姿勢・息・間を、毎日の声に生かす入口になります。
今日から試せる、参道での三つの準備
- 靴を選ぶ。歩き慣れた、底がすべりにくく、かかとが固定でき、紐やベルトで調整できるもの。
- 荷物をまとめる。両手が空くリュックかショルダーに、自分用の飲み物、冬は手袋と帽子、参拝用の小銭。
- 歩き方を決める。837段、492段、上だけ参る、のいずれかを、同行者と段数を共有して選ぶ。
雨の日や朝露の日の石段は滑りやすくなります。前日に天気を確認し、雨具と靴を決めておきます。境内では、神社の決まりと参拝者を優先し、写真は人の顔が写らないように撮ります。
ガイドと歩く街歩きでは、チーム伊豆山のメンバーが町の話をしながら同行します。声と呼吸を意識した朝の参道歩きも、相談内容に書いていただければ、歩き方と合わせて一緒に考えます。観察は、一区切りだけでも、途中までの日でも楽しめるので、体力に合わせて気軽に取り入れてください。
よくある質問
ボイスリトリートはいつ開催されますか?
企画中で、日程・人数・料金・集合場所はこれから決まります。問い合わせ時に案内し、決まりしだいページでお知らせします。
声のレッスンの経験がなくても参加できますか?
ボイスリトリートの対象や条件は、企画が決まりしだい案内します。関心がある方は、フォームかLINEで気軽に声をかけてください。
姿勢・息・間の観察は、普通の街歩きでもできますか?
できます。伊豆山の参道は石段が続くので、歩く速さと呼吸の関係を感じやすい場所です。
記事の公開日:2026年11月5日。運営:株式会社エートゥーナンバーレコード(〒413-0002 静岡県熱海市伊豆山573-2)。